経営者の強い想いとは

クライアント先で経営トップと一緒に経営戦略を議論、立案する場面がたびたびありますが、戦略は経営者の「想い」がないと立案できないと常々考えています。経営者の「想い」とはどんな事業をしたいか、顧客に何を提供したいか、世の中の為に何をしたいのか、自社の強みは何か、従業員をどう育てたいのか等、が必要です。この「想い」がない金儲け主義だけの経営では長続きしません。特に収益を気にしすぎるあまり、本業ではない色々な事業に手を出して失敗するケースを多々見てきています。

経営とは外部環境の変化に柔軟に適応しながら、自社の強みを活かし、顧客が期待する価値を提供し、結果として対価を得、収益を上げることです。この基本原理に沿ってどんな事業をするのか、強い「想い」を持つ事が重要です。

長年、経営コンサルタントとして、色々な企業のトップとお付き合いをしていると、下記のような経営者の想い、思想、行動の違いを感じます。

1.関心事が売上、利益の結果のみで、事業の関心度が低く部下にまかせっきり
2.顧客満足が、最重要課題で顧客との面談に時間を使い、会社にほとんどいない
3.社内の事ばかりが気になり、顧客とはほとんど面談せず、社内の仕組みづくり、組織改善等に没頭する
4.従業員満足がもっとも大切で、顧客満足は二の次
5.新しい仕掛けが最重要課題で攻めの姿勢が強すぎ、守りの経営が弱い
6.経営成果の売上、利益を達成する為に、外部環境変化に適応しつつ、常に顧客満足、従業員満足を図りながら、事業をバランスよく推進し、世の中の為に事業を、展開する事に強い想いをもつ

この中で私が考える理想の想い、思想は当然ながら6番目の経営者の想いです。このような想いを強くもった先人の商人、経営者は多くいます。

滋賀県の近江商人の言葉に「3方よし」という言葉があります。近江商人の行商は、他国で商売をし、やがて開店することが本務であり、旅先の人々の信頼を得ることが何より大切でした。そのための心得として説かれたのが、売り手よし、買い手よし、世間よしの「三方よし」です。取引は、当事者だけでなく、世間の為にもなるものでなければならないことを強調しました。

松下幸之助が水道哲学という考え方を唱えました。

「産業人の使命は貧乏の克服である。その為には、物資の生産に次ぐ生産を以って、富を増大しなければならない。水道の水は価ある物であるが、通行人が之を飲んでも咎められない。それは量が多く、価格が余りにも安いからである。産業人の使命も、水道の水の如く、物資を無尽蔵たらしめ、無代に等しい価格で提供する事にある。それによって、人生に幸福を齎し、この世に楽土を建設する事が出来るのである。松下電器の真使命も亦その点に在る」

物資を潤沢に供給することにより、物価を低廉にし、消費者の手に容易に行き渡るようにしようという思想です。

経営者は業績結果を出すことは大切ですが、近江商人、松下幸之助のように世の中の為に事業を進めるという前提で「想い、思想」を持ち経営を推進すべきと考えます。経営者兼経営コンサルタントという立場であるが、私もこのような「想い」を強く持ち、日々精進したいと考えています。

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