差別化商品とは

April 30, 2013

今日は差別化製品について、お話します。

製造業のあるクライアント先で事業戦略を検討しているのですが、差別化製品とは何かで議論になりました。

新しい機能を付加する、仕様をアップする、もしくは他社が追従できない価格で勝負する等の視点が出ましたが、本当にこの差別化視点で製品が売れるのでしょうか。

このクライアント先は、今まで、この対応で差別化できていましたが、中国、台湾、韓国勢の追従が激しく、すぐコピーされる、価格で負ける等で差別化の効果が出せないで悩んでいます。

大手家電メーカーのソニー、パナソニック、シャープが液晶、プラズマテレビで海外勢にまけて、大きな赤字をだしたのも、この戦略をとっていたからだと思います。

売切製品では製品だけの性能、価格の勝負になり、顧客を囲い込めません。

アップルのiphoneは、ユーザーの好みでダウンロードできるアプリケーション、iクラウドのようなネットワークで、ハードだけではなく、周辺のコンテンツ、ネットワークサービスで差別化する戦略で顧客を囲い込んでいます。

右肩上がりの市場では、ハードの製品のみで差別化ができましたが、現状の物あまりの状況ではハード以外の顧客が製品を使用する状況に合わせて、サポートができるソフトの世界で差別化をする必要があると思います。

物づくりを得意としてきた日本の製造業は売切製品のハードの世界の差別化から、製品を使用する段階でのソフトの世界(例:開発段階でのエンジアリングサービス、製品のアフターサービス等)を組み合わせて、差別化をしないとグローバルな市場で生き残れないのではないかと非常に危機感をもっています。

差別化製品とは何か、是非、皆さんも考えてみてください。


失敗の本質

April 24, 2013

連休中に鈴木博毅著書の失敗の本質という本を読みました。

太平洋戦争の日本軍とアメリカ軍を対比しながら、現在の日本企業の経営の失敗の本質を23項目の視点で体系的に説いています。

この中23項目の視点の中で同感したのは

1.日本軍は戦略が曖昧で目標達成につながらない戦略をとっていた。(戦略、戦術を忠実に実行したとしても、目標が達成できない)

クライアント先もこのような曖昧な戦略が多々あります。

2.日本軍は戦略の指標が間違っていた。 勝利につながらない指標(日本軍は毎回その場限りの短期決戦の勝利を指標にしていたが、アメリカ軍は長期持久戦で勝利する事を指標においていた)をとっていた。

高機能、高性能の携帯電話を開発していた日本の携帯電話メーカーがアップルのiphoneのネットワーク、オープンソースによるアプリに負けた事と同様だと思います。

3.成功体験が勝利を妨げる。 戦略を以前の成功体験をコピー・拡大生産すれば環境変化に適応できずに失敗する。

日本のソニー、シャープ、パナソニックの大手家電メーカーがテレビ事業で失敗した状況はまさにこの例と思います。

4.司令部が現場の能力を生かせない。日本軍上層部が権威主義で現場に指示を出し、現場の意見を取り上げなかった。一方のアメリカ軍上層部は現場の自主性、独立性を認めて、現場と意見交換をして戦略の修正をした。

この事はまさに現代の経営も同じで、現場を知らずに経営判断をすると経営の失敗につながります。

この現場をしらない権威主義タイプの経営者をよく見かけますがユニクロの柳井会長は年の半分は現場を回る時間に費やしているようです。

23項目の数例ですが、なるほどと思う内容が多くありました。経営者、或いは経営者を目指している方はこの本はお勧めです


変わりつつあるサービスの形

April 22, 2013

先日、家具を購入する為に、日本の有名な高級家具量販店と本社が欧州にある有名な外資系の家具量販店に家内と娘で行きました。

当日は連休で人が多く、両方の店とも混雑していました。

売り場面積は両店舗とも非常に広い点は同じですが、販売方式が全く対照的です。
日本の家具量販店は家具を選ぶ為に営業担当(コーディネーター)がつき、要望をいえば、ほしい家具のところに案内してくれ、商品説明をしてくれました。我々の要望を聞きながら、予算とニーズにあった商品を選定してくれるわけです。

そして、驚いたのは家具を設置する家のスペースを説明した時に家具が搬入できるかの確認がその場でできないとわかると、わざわざ家まで出向いて確認してくれる対応を約束してくれました。搬入、設置の現場担当任せでは無く、自ら行動してくれる対応でした。

一方、欧州の家具量販店は安さを売りにしているらしく、全てセルフ対応でした。店の売り場で気に入る家具を自ら選んで、倉庫の棚ナンバーを記録して、最後に一階にある家具倉庫の棚に商品を取りに行き、レジに並んで代金を払います。

ここまでは、それぞれ顧客の価値観(高額だけど良い家具を買いたい人と低価格の家具に価値観がある人)に対応したシステムで、納得をしていたんですが、その後の対応で顧客満足とは何かと考えさせられました。

欧州の家具量販店で代金を払ったまでは良かったのですが、家具が大きくて配送を頼みました。配送の場所はレジの場所とは少し離れていて、そこまで顧客が運ぶ仕組になっています。

当日、たまたま、私は用事があり、代金を払ってレシートを持ったまま、家内に配送の手続きを頼んで店を離れました。

暫くしたら、家内からレシートがないと配送手続きができないと断られたと連絡がありました。

理由は家具の重量がわからないからとの話でした。

その場に家具があり、且つ、レシートは無くとも商品の重量ぐらい調べればわかるはずですが、配送手続きの窓口の担当者は駄目との一点張りだったようです。

おかげで私が戻ってレシートを見せる2時間ほど間、家内と娘は配送の窓口で待っていたようです。

顧客が困っている状況をみたら、マニュアル的、ビジネスライク的対応ではなく、自分で判断して、顧客の問題解決をする事が、本当の顧客満足度ではないのかと感じた買い物でした。


目的論について

April 19, 2013

私の尊敬するイノベーションを生み出す経営で著名な野中郁次郎先生は、最近の日本の経営者は「HOW」ばかりを語り、「WHAT」をあまり語らなくなっているといわれています。

私も仕事で目的の考え方と重要性の研修・指導をよくしますが、目的「WHAT」を忘れて、手段「HOW」が目的になってしまう場面を企業経営でよくみます。

ほとんどが手段は今見えている仕事、ものを表し、目的はその仕事、ものが無かったら何が困るかで考えると比較的わかりやすくなります。

例えば、灰皿の目的は何かというと「タバコの灰、吸殻により周囲を汚さない事」で、手段はその為に「タバコの灰と吸殻をたくわえる」という事になります。

皆さんの仕事、身の回りのものについて目的は何かと考えてみてはどうでしようか。
ちなみに目的が曖昧、必要がない仕事、ものは無駄という事になります。


トップダウン・ボトムアップとは

April 17, 2013

トップダウンとボトムアップという言葉をみなさんよく聞くと思います。

トップダウンは、欧米経営の組織運営にて主体で使われており、ボトムアップは日本的経営の要素が強いと言われています。

最近、台頭している中国、台湾、韓国の経営も欧米的なトップダウン経営が主流です。

トップダウン経営手法は色々ありますが、その1つとして米国で開発されたバランススコアカードがあります。

この手法は経営課題を経営成果(財務の視点)をだす為に、顧客にどう向かうか(顧客の視点)、内部の業務の仕組をどう改善するのか(内部プロセスの視点)、人材をどう育成するのか(学習と成長の視点)の4つの視点で抽出し、トップダウン型で組織に落し込み、解決していく手法です。

一方でボトムアップ型では、過去盛んに日本の企業で実施されていた、QCサークル活動、小集団活動があります。この手法は現場で起きている問題を、上司から言われなくても、現場のメンバーが問題提起して、自ら解決していく活動です。

1980年代に日本製品が品質について全世界で認められるようになったのも、この手法のおかげです。ただ、最近はこの小集団活動は形骸化してあまり実施されなくなったと思います。

トップダウン、ボトムアップのいずれの経営手法もメリット、デメリットがありますが、

トップの意志を組織に落とし込むトップダウン経営手法と実務現場が自立的に行動するボトムアップ経営手法の両輪をうまく融合化して、経営を回していく事がベストな方法と日頃考えています。


二つの思考方法

April 15, 2013

今日は二つの改善の思考法についてお話したいと思います。

1つは帰納法という思考方法です。

「現状を詳細に分析して、問題点を見つけ解決し、改善を進めて行く思考方法です。そもそも問題点は現状とあるべき姿のGAPですが、思考する人のあるべき姿に照らし合わせて、問題点を洗い出していきます。」

もう1つは演繹法という思考方法です。

「現状は認識レベルで緩やかに捉え、むしろ、あるべき姿を最優先で描きながら、これを実現すべく改善を進めて行く思考方法です。」

それぞれ有効な思考方法ですが、現状にとらわれず、大きな改善をしたい時は演繹法を使います。ただ、あるべき姿を描く事が難しいという欠点はあります。

また、帰納法は現状ベースに物事を考えるので、思考的には比較的、容易というメリットはありますが、現状から抜けきれないので、大きな改善ができないという欠点はあります。

状況に応じて、この二つの思考方法をうまく使い分ける事をお勧めします。


製造業はどうなる?

April 13, 2013

先日、我々のようなコンサルタントをクライアントに紹介してくれるエージェントの方と色々お話をしました。

その時に、日本の製造業の今後の展開の可能性について議論になりました。

皆さんも、新聞紙上でご存知のように、ソニー、パナソニック、シャープというような日本を代表する家電メーカーが、軒並み巨額の赤字をだしています。

この敗因は、研究開発から液晶パネルなどの部材の製造、組み立てまで一貫して自前でやる垂直統合モデルのテレビ事業が、6重苦といわれる円高、重い法人税、厳しい労働規制等の条件下で、韓国、台湾勢には勝てなかった為といわれています。

しかし、一方で同じような環境下でトヨタ、日産、ホンダ等の自動車産業は好調で収益を確保しています。

この違いは何かと考えてみますと二つあると思います。

1つは販売価格のコントールの差があります。

家電メーカーは量販店により、販売価格をおさえられているのに対して、自動車メーカーは自前の販売店をもち、価格がコントロールできます。特に、このデフレ環境下で販売価格をコントロールし、価格競争を避ける事は収益に大きな影響を与えます。

2つ目が差別化できる商品開発です。

フラットテレビを国内外の各社が投入した結果、商品の差別化がなくなり、顧客は、どのメーカでも選択ができ、まして低価格の海外メーカーの優位性が増しました。

一方で自動車メーカーは既存のガソリンエンジンだけではなく、ハイブリッド車、電気自動車、ディーゼルエンジン車等各社、独自の商品開発をして差別化商品を出しています。

どのメーカでも差がないフラットテレビとメーカ毎に差別化している自動車の違いが大きいと思います。

当たり前の事ですが、販売網をおさえて、差別化商品を出し続ける事が今後の日本の製造業の勝利の原理原則だと思います。